第一部 15 バークレーの春
孫さんは大学4年生にして、一流のビジネスマンになっていました。
レストランにゲーム機を置いてもらうよう交渉し、断られても全くめげません。
ある日、ゲーム機が壊れて客が文句を言っているという連絡を受けた孫が駆けつけたところ、原因がまさかのコインボックスにコインを入れすぎたため、動かなくなっているというものでした。
これを見た店長はぜひもう一台ゲーム機を入れたいと孫に言います。
半年間でゲーム機の数は350台になり、一億円を超える利益を生み出します。
この成功はほかのアメリカ企業の注目を浴び、北カリフォルニアだけで100社ほどが参入しました。
ソフトバンクアメリカの社長であったテッド・ドロッタさんによれは、孫さんは同じ日にサンフランシスコとニューヨークでそれぞれ人と会う約束をしていたといいます。
このことから、孫さんにとっては不可能だと思っていることがないのではと想像できます。
そして、会社が上手くいっているなか、孫さんは突然「日本に帰る」と言い出します。
その理由とは母との約束でした。
こうして、孫さんは日本に帰り、分野は決めていなかったが、日本一を目指します。
学生でありながら半年間で資本金ゼロから1億円の利益を生み出すことは、孫さんがただ天才だからというわけではなく、学生時代の努力と豊かな発想から生まれたものだと思いました。
また、このままアメリカでビジネスをしたほうがさらに成功する可能性が高いのにも関わらず、母との約束を破らず、日本でゼロから成功を目指す孫さんの姿に感銘を受けました。