第一部 10 契約成立

 

音声付き電子翻訳機の試作品を孫さんが

日本のメーカーに売り込みに行くところから始まります。

 

大企業からほとんど相手にされなかった孫さんは、大阪の弁理士会に電話し、シャープに詳しい特許事務所を紹介してもらうことに成功しました。

当時シャープの技術本部長であった佐々木専務は、この機械にも孫さんの真剣な顔、眼差しを見て、この男にかけてみよう!と惚れ込みました。

その結果、特許の契約金として4000万円が支払われ、さらにドイツ語とフランス語版の翻訳ソフトの開発を依頼され、契約料の合計はなんと一億円までになりました。

 

学生でありながら自動翻訳機を開発し、アメリカから日本の大企業のメーカーに売り込みに行く熱意、また断られても諦めない気持ちは本当に尊敬に値します。

 

そして、佐々木さんは孫さんの内面に秘めた強烈な意志が見え、いまどきの若者にはないほど考え方が着実でしっかりしている、また、学生ではあるが、経営に対する考えがきちんとしていることを感じたことから、この当時の孫さんがいかにしっかりしていたかが伝わってきました。

 

 

64〜69