第一部 14 夢追い人
この章では大学時代のシャープとの契約したところへ戻ります。
シャープとの契約に成功し、会社もオークランドの空港の近くへ移し、社名をユニソン・ワールドと変えます。
また、ビジネスパートナーであるホン・ルーの肩書きも「雑用」から「プロジェクト・マネージャー」に昇進しました。
シャープの佐々木さんは契約を交わしたあと、アメリカにやってきて、孫さんの会社の様子を見に行きます。
パートや研究員を合わせた15人のスタッフが忙しく働いているのを見て、佐々木さんは安心すると同時に、孫さんへの期待が大きくなっていきます。
プロジェクトチームは、一枚のICカードを入れ替えると、5ヶ国語に対応できる電子翻訳機を作り、これがのちの世界初のポータブル電子翻訳機に発展することになります。
孫さんは日本とアメリカを行き来するうちに、日本で起きているインベーダーゲームのブームを見逃しませんでした。
孫さんはこのブームが一時的であることを予想していた。
また、日本人は物事に熱中するが、冷めやすい、だがアメリカ人の場合はどうかと考えました。
そして、ブームが去った日本のゲーム機をアメリカのレストランに置いてもらうよう動き始めます。
世界初のポータブル電子翻訳機に孫さんが関わっていたのは本当に驚きでした。
また、日本のブームが去ったゲーム機をアメリカに取り入れるというアイデアは、孫さんのアメリカと日本の往復からくるものであり、留学生でありながらこのビジネスを思いついたのは非常にすごいと思います。