第一部 12 あこがれ
この章では孫少年の中学時代について書かれています。
二学期になり、孫一家は少年のために教育レベルの高い学校のある福岡市に転居し、名門中学校に転校しました。
もともとサッカーをやっていた孫少年ですが、この中学校にサッカー部がなかったため、剣道部に入部します。
剣道に真剣に向き合う姿や、教師相手に正々堂々と自分の意見を主張する姿、また不良少年から女子生徒を守ることから孫少年は男女共に人気がありました。
転校する前と後で成績が落ちてしまったことで、立て直そうと思った孫少年はレベルの高い塾に入学し、みるみるうちに成績を上げます。
また、卒業間際になり、友人と遊んでいるときに、ついに自分が韓国人であることを打ち明けます。
韓国人ということを隠して生活していた孫少年が本当のことを言うことで「仲が壊れてしまうかもしれない」という不安があったにも関わらず、友人に打ち明けたのはかなり勇気のいることだったと思います。
また、孫少年は博多弁をからかわれてもにこにこ笑っていたり、教師相手に正々堂々と意見を主張したりと、周りから尊敬され、愛される理由に納得しました。